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空き家を相続した後の売却方法は?特例や必要な手続きも紹介

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うるしはら なおや

筆者 うるしはら なおや

不動産キャリア12年

一生に一度の住宅購入を、誠心誠意お手伝いさせていただきます!
それぞれのご事情をしっかり伺ったうえでお客様にとって最適な物件をご紹介できるよう、できる限り努力を致します。
前職では新築建売・注文住宅購入で住宅ローンが難しい案件をいくつも担当した経験があるため、一度住宅ローンで挫折してしまったお客様も再度私にご相談いただければ、お家を買う方法を精一杯お探しいたします!


「空き家を相続したが、どうすればいいか分からない」「売却時の税金や手続きが複雑で不安」と感じていませんか。空き家の相続後には、税制の特例や手続きの流れ、費用負担など知っておくべきポイントが多く存在します。本記事では、相続空き家を売却する際に活用できる3,000万円特別控除の要件や、2024年以降の新しい制度、実際の売却に向けて進めるべき準備まで、具体的かつ分かりやすく解説します。空き家を手放したい方、必見です。

空き家を相続した後に知っておきたい税制の特例とその要件

相続により空き家を取得した場合、「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」、通称「空き家特例」として、譲渡所得から最大3,000万円の特別控除を受けられる可能性があります。この制度は相続による負担を軽減し、空き家の有効活用促進を目的としています。

この特例を受ける主な要件は次のとおりです。まず、被相続人が一人暮らしであった家屋とその敷地を相続し、その家屋が昭和56年(1981年)5月31日以前の旧耐震基準下で建築されたものであることが必要です。また、相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却を完了させ、売却価格が1億円以下であること、さらに相続してから売却に至るまで空き家の状態が維持されていることも要件となります。

なお、令和6年(2024年)1月1日以降の譲渡では、相続人が3人以上の場合、特例の控除額が従来の3,000万円から2,000万円に減額される取り扱いになりました。この点についても確認が必要です。

以下に要件を見やすくまとめた表を載せます。

要件 内容
対象建物 昭和56年5月31日以前に建築された旧耐震基準の一戸建て住宅
居住状況 被相続人が一人で居住していた家屋および敷地を相続し、相続から売却まで空き家であったこと
売却期限 相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで(ただし令和9年(2027年)12月31日まで延長)
売却価格 1億円以下であること
相続人の人数 3人以上の場合は控除額が2,000万円に減額(従来は3,000万円)

これらの制度は非常に強力かつ有効な節税策ですが、細かな要件が複数存在するため、正確な判断や確実な適用のためには、専門家である税理士や司法書士へのご相談をおすすめいたします。

制度改正により進化した売却の選択肢-買主による工事も条件に含まれるように

令和五年度税制改正により、令和六年(西暦2024年)一月一日以降の譲渡については、相続した空き家の譲渡所得から最大三千万円を控除できる「空き家特例」において、これまで売主(相続人)が行う必要のあった耐震工事または除却(解体)工事を、買主が行っても条件を満たすことができるようになりました。その場合、買主による工事は「譲渡した日の属する年の翌年二月十五日まで」に完了していることが必要です。この改正により、売主が先に費用を負担せず現状のまま売却しやすくなり、実質的な選択肢が大きく広がりました

この改正によって、相続人は解体費用の負担を回避しながら、不動産を「現状有姿」(古家付きのまま)で売却できるようになりました。特に、建物を取り壊す費用がおおよそ百五十万円から二百万円程度かかるケースが多く、その負担を避けたい相続人にとっては現実的で有効な手段となっています。買主側が耐震改修や解体を請け負うことで、売却のハードルが大きく下がります

ただし、この選択肢を確実に活用するためには、売買契約書に「買主が工事をいつまでに完了させるか」「工事完了後の書類(例:閉鎖事項証明書や完成の写真など)を売主にいつまでに交付するか」、さらには「万が一買主が期限を守らなかった場合の損害賠償義務」などを明記した特約を盛り込むことが重要です。こうした特約がないと、期日を過ぎたことで特例の適用要件を満たさず、結果として課税対象となるリスクがあります

以下に要点をまとめた表を掲載いたします。

項目改正前の要件改正後の要件(令和六年以降)
工事の実施主体売主(相続人)が耐震改修または除却買主が譲渡後に耐震改修または除却
工事完了期限引き渡し前に完了譲渡した年の翌年2月15日までに完了
特例の適用条件売主が工事を完了していること買主が期日までに工事完了・証明書類交付があること

売却に向けた手続きの流れと注意点

相続した空き家を売却する際には、まず「相続登記」を行い、所有者を明確にする必要があります。相続登記には登録免許税がかかり、課税標準(不動産の価額)×0.4%が目安です。また、2024年4月からは相続を知った日から3年以内の登記が義務化されており、期限を過ぎると10万円以下の過料が課される可能性があります。

項目内容目安(税率など)
相続登記所有者名義変更価額の0.4%
印紙税売買契約書への貼付契約額に応じて数千円〜数万円
仲介手数料売却手数料売却価格×3.3%+6万円程度

売却契約書には印紙税が必要で、売買価格に応じて税額が変わります。軽減税率が適用され、多くの場合は数千円から数万円程度となります。また、売却に仲介を利用する場合、仲介手数料も発生します。例として、2,000万円の物件であれば、約72万6,000円+消費税が目安です(契約金額×3.3%+6万円程度)

次に、譲渡所得税(および住民税)が発生する可能性があります。譲渡所得は「売却価格―(取得費+譲渡費用)」で計算し、所有期間に応じて税率が変わります。相続物件では通常、被相続人の取得時から所有期間を引き継ぎ、長期譲渡(5年超)となりやすく、税率は20%前後です。

取得費が不明な場合には、「概算取得費」が利用でき、売却価格の5%を取得費として扱うことになります。さらに、「相続税の取得費加算の特例」や「空き家の3000万円特別控除」の活用も可能です。ただし、これら二つの特例は併用できず、どちらか一方を選ぶ形になります。

「取得費加算」は相続税を取得費に加える特例で、「相続開始日の翌日から相続税申告期限(通常10ヶ月後)の翌日以後3年以内」に売却した場合に適用されます。売却不動産に対応する相続税額を取得費に加算でき、譲渡所得を抑えることが可能です。

一方、「空き家の3000万円特別控除」は、被相続人が住んでいた建物と敷地を相続した場合、相続開始から3年を経過する年の12月31日までに売却すれば、譲渡所得から最大3,000万円を控除できます。相続人が3人以上いる場合には、控除上限が2,000万円となる点にも注意が必要です。

どちらの特例を選ぶかは、譲渡所得の金額や売却時期、適用要件の確認の上で判断する必要があります。確定申告の際には、特例の適用に必要な書類を揃え、必ず期限内に申告を行うことが重要です。取得費が明確でない場合や手続きに不安があるときは、早めに税理士への相談を検討されると安心です。

今すぐ取り組むべきステップ-空き家売却に向けての具体的な行動案

相続した空き家を早めに売却するには、まず「相続登記」を速やかに済ませ、所有者を明確にすることが重要です。2024年4月から相続登記は義務化されており、相続を知った日から3年以内に登記をしないと、10万円以下の過料が科される可能性があります。そのため、相続登記を早期に完了させましょう。また、抵当権が設定されたままの場合は、売却前に「抵当権抹消登記」も必要です。そのままでは契約手続きが進まないリスクがあります(登録免許税率:0.4%、義務化と過料制度)。

次に、「税制特例の適用要件」を整理し、必要書類の準備や税理士への相談を早めに始めましょう。例えば、「相続空き家の3000万円特別控除」は、被相続人の居住用だった空き家が以下の要件を満たすと適用されます:昭和56年5月31日以前に建築された家、相続後売却するまで使用されていないこと、相続開始から3年以内の譲渡などです。また、相続税を支払った場合には「取得費加算の特例」も対象となります。両者は併用できないため、どちらが有利か税理士と相談のうえ判断してください(特例の内容と期限)。

さらに、「そのまま売却可能な制度」を活かすために、早期に売却活動の検討を始めましょう。空き家を解体せずにそのまま売る方法が一般化しつつあり、解体負担を抑えられる現実的なメリットがあります。売却には、譲渡所得税や印紙税など各種費用がかかりますが、取得費が不明な場合は売却価格の5%を「概算取得費」として扱われる点には注意が必要です。早めに資料を整理し、取得費の証明にも備えておきましょう(税金・費用・特例活用の観点)。

ステップ具体的な内容目的
相続登記/抵当権抹消名義を自分(または相続人)に変更し、ローン抵当権を解除法的に売却可能な状態を整える
税制特例の整理・準備3,000万円特別控除や取得費加算などの要件確認と必要書類の収集節税と税務リスクの低減
売却活動の検討開始そのまま売れる制度を活用し、取得資料の準備も含めて早期行動維持費負担軽減と売却成功の促進

これらのステップを計画的に進めることで、空き家の早期売却と節税につながります。最初の一歩として、まず相続登記と抵当権の確認・手続きから始めましょう。

まとめ

空き家を相続した方にとって、税制優遇を上手に活用しながら売却を進めることは大きな安心につながります。特に相続空き家の特別控除や制度改正による新しい売却方法を知り、計画的に準備を整えることが大切です。相続登記や必要書類の準備を着実に行い、適用要件の確認を早めに進めることで、手続きもスムーズになります。空き家の売却は難しく感じるかもしれませんが、ひとつひとつ段階を踏んで対応すれば、安心して次の一歩を踏み出すことができるでしょう。

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